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こんにちは!大学受験、高校受験のための学習塾、名張理数研です。

この業界では、しばしば議論を呼ぶテーマですが、「丸暗記」について語ります。

 

これについて私の立場は善か悪かの2択で言うならば善です。こういう回りくどい言い方をするのも、時と場合によるからです。数学の解法を丸暗記することには否定的ですが、一方で理科の基本は暗記です。暗記できなければ話になりません。たびたび我々の業界で議論を呼ぶのも、暗記がどこまでの範囲のことまで含むのか、その範囲が人により異なっている点にあると考えられます。

 

光合成を例に理科が暗記であることを主張する

植物は細胞の中にある葉緑体で光合成を行いデンプンをつくる。というようなことが中学校の理科の教科書には書かれていると思います。一方で、高校生物では、反応系全体を見ると以下の化学反応式が与えられています。

6CO2+12H2O→C6H12O6+6H2O+6O2

光合成は葉緑体のチラコイドで行われる反応とストロマで行われる反応を経て最終的にC6H12O6(ブドウ糖)が合成されます。おや!?と思いませんでしたか?そう、デンプンはどこいった?ということです。

デンプンはブドウ糖がいくつもつながったとても大きな分子です。葉の葉緑体で行われる光合成によって生じたブドウ糖は酵素の働きによって、デンプンに変換されます。体全体に輸送するときはまた別の酵素が働いてスクロース(砂糖)として移動します。全身に移動したスクロースは呼吸基質として用いられたり、再びデンプンへ変換され体内に蓄えられます。ということは覚えなければならないことですし、生物を学ぶのならばこのくらいは上記の化学反応式を見た時点で気になって調べなければならないことです。光合成でデンプンが合成されるという中学レベルの基礎知識さえあれば自ずから疑問に感じるはずなのです。知れば知るほど、疑問が増え、調べることが増えていく、この繰り返しで知識が補強されていきます。この過程まで私は暗記であると捉えています。ただ無機質に用語を刷り込んでいくことは暗記でもなんでもありません。理科の用語など、生じている現象等に人間が勝手に名前を付けただけです。それぞれの用語が自分の言葉で説明できるようになること。これが本来の暗記ですし、知識です。

理科では知識がないと考察できない

上記知識を踏まえて、ひとつ問題をだしてみましょう。

(問)一般に植物では光合成により葉にデンプンが蓄えられる。なぜわざわざデンプンへ変換する必要があるのかを考察せよ。

 

この問いに答えようとすると、上記の知識の他に浸透圧の知識も必要になってきます。

結局、知識がなければ、論理的な考察などできません。

 

他の科目も同じでしょうが、極めて強い知識欲がなければ、理科の学習など効率的には進みません。暗記が嫌だなんて言っている時点で、既に相当に不利です。私が理科は暗記だと述べるのはこの点に気づいてほしいからです。もっと詳しく知りたいなぁという感情は人間なら誰しもが持っている感情なので、初期の暗記のカベを乗り越えれば、知識欲は必ず増していきます。知れば知るほど疑問が増えるとは、知れば知るほど面白くなるとも同値です。初期の暗記のカベを乗り越えるためにも、理科は暗記ではないと初学者に伝えるのは無責任だと思うのです。