こんにちは!名張市にある大学受験、高校受験のための学習塾、名張理数研です。弊所でも赤本を使って勉強をしている生徒たちが増えてきて、いよいよ受験モードといった感じでしょうか。あわせて、「赤本はいつくらいから取り組んだらいいですか?」なんていう相談も増えてきました。ここで一度私の見解を述べたいと思います。
赤本(過去問)を解く意味
過去問に取り組むには主に次のような狙いがあります。
①どのくらいの難易度の問題が出題されるのかを知る。
②制限時間を知る。
③出題形式を知る。
④今の自分に足りない知識、技能を知る。
⑤取り組むべき課題を整理し、対処する。
この中でもっとも重要度が低いのは③の出題形式です。なぜなら、みなさんが受けるときにその形式で出題されるとは限らないからです。おそらく大きくは変わらない場合が多いでしょうが、ここは参考程度にとどめておくべきです。一方で④、⑤は極めて重要ですが、受験生の多くは過去問をただ解いてやり直しした程度にとどまっているのではないでしょうか。自分の中にある課題に気づかなければ効果的な勉強とは言えません。
英語、数学を例に具体的に見ていきましょう。
英語の場合
①語彙の程度
手持ちの単語帳の語句は大体頭に入っているにも関わらず、過去問で初見の単語が散見される場合は、「速読英単語(上級編)」などに取り組む方がいいでしょう。
②問題のボリューム
精読はある程度できるようになってきて、制限時間が厳しい場合は、読む練習をしていく必要があります。各パラグラフの要旨を捉え、全体の論理の流れを把握する練習を繰り返してください。それがどうしても苦手なら、すぐに信頼できる先生へ相談してください。
③特有問題への対応
近隣の大学ならば、関西大学のパラグラフ整序や同志社の対話文などはそれに合わせた練習が必要になると思います。このあたりの問題で苦手意識があるのなら、信頼できる先生へ早急に相談してください。特に関西大学の問題が苦手ということは文脈が取れていないということですので、その問題に限らず一般的な読解にも精度を欠いているはずです。
数学の場合
①基本問題が解けない場合
公式を素直に運用すれば解けるような問題で間違う場合は早急に基本事項をおさらいする必要があります。しかしながら、この時期ですのでそれほど時間がありません。「大学への数学 入試数学の基礎徹底(東京出版)」などのよくまとまったもので対処しましょう。間違っても青チャやフォーカスゴールドをやり直すなんていうことはしないように。まず間に合いません。
②類題が参考書に載っていた場合
いわゆる解法の定石的な部分がまだまだ不完全だと思われますので、「大学への数学 1対1の対応(東京出版)」や「入試問題集(数研出版)」などで苦手な単元を優先してとりくみましょう。
③発想力を求められるような問題が解けない
この場合は合格ラインに達しているケースも少なくないと思いますが、過去問を複数年解き、なぜその発想が出てくるのかまでを含めて丁寧にやり直しをするとよいと思います。逆に英語等のほかの科目に弱点があるのなら、他の科目を優先し、数学は計算スピードを上げる訓練をすることに特化するのも一手です。
自分に足りないものを明確にするために赤本を使う!!
過去問を解くより、普通に受験勉強に取り組む方が学力は間違いなくつきます。過去問を使う目的でもっとも大切なことは今の自分に足りないものを明確にすることです。過去問ですから、普通に考えたら、昨年と似たような問題を今年も出題するかといえば、たいていはそんなことないはずです。赤本が最後の切り札みたいな位置づけではダメです。自分の課題を見つけるために赤本を使いましょう。そう考えれば、試験の時期から逆算していつ赤本に取り組むべきかは見えてくるはずです。とうより、本来なら春には1年分くらいの過去問はやっておくべきです。
ですから、うちの塾では春にセンター過去問を、追試も含めて3年分やってもらったんですよ。