こんにちは!名張市にある大学受験、高校受験のための学習塾名張理数研です。さて、今回もツイッターのフォロワー様より面白い課題を教えていただきましたので、書いてみました。ただ、合格するための解答ではなく感じたままに書きましたので、学生のみなさんは参考にしない方が良いのではないかと思います。こんなアプローチもあるのだなと思っていただければ幸いです。
では課題を紹介します。
「キングス・クロス駅の写真です。あなたの感じるところを800字以内で述べなさい」
('15順天堂大学医学部)こういうのもあります。
皆さんは何を「感じ」ますか? pic.twitter.com/DPSHXRoea8
— お湯 (@aaiiyudayo) November 18, 2019
ではどうぞ・・・
その男はあてもなく歩いている。暗い塀の中から這い出てきたその男を夕暮れの光が祝福するかのように照らしている。いや、その男にとっては地獄の業火にしか受け止められないかもしれない。その男の目の前はただ暗闇が広がっている。その男はあてもなく歩いている。
その男はあてもなく歩いている。歩いている。あたりもだんだんと暗くなってきている。月明りがその男を照らしはじめた。今宵は満月である。
そのとき、はしゃぐ兄弟がその男の前を通りすぎる。随分とにぎやかである。そう今日は駅前の広場でカーニバルである。そろそろカーニバルがはじまるようだ。その男の目の前だけは暗闇が広がっている。
「パーン!パーン!」あたりを切り裂く花火の音。カーニバルのはじまりである。陽気な音楽と人々のはしゃぐ声。月は静かに輝いている。
男はふと月を見上げた。そして、その喧騒を逃れるように駅へ吸い込まれていった。男はただ歩いている。暗い通路をホームに向かって・・・・。男の目の前は暗闇である。ホームに向かって歩いている。
彼はホームに向かって歩いている。彼は静かに笑みを浮かべてホームへ向かって歩いている。立ち止まって見上げたプラットホームの天井には真っ赤で大きな風船が飾られてある。そう、今日はカーニバルなのである。ただ彼の目の前は暗闇である。
キングス・クロス駅は巨大な駅である。しかしカーニバルが始まったせいか人通りはまばらである。彼は巨大なホームに一人立っている。静かに笑みを浮かべて・・・。一台の列車がホームへ近づいてくる。どこへ向かう列車だろうか・・・。
静かで巨大な駅の構内に警笛とレールのきしむ音がこだまする。人々の視線が列車に集う。彼の目の前は暗闇である。暗闇である。暗闇で・・・・。
月はただ静かにその輝きを漂わせている。(754字)